Be犬猫病院

犬猫さんの健康を守る!寄生虫予防①

犬猫さんの健康を守る!寄生虫予防①

犬猫さんの健康を守る!寄生虫予防①

2023/10/13

 ご家族である犬猫さんが元気に生き生きとその子らしく暮らせる時間を長くしていくために、最も重要なのは予防医療です。近年ではヒトの医療で病気になってから治療するよりも病気にならないことを目指した医学が広く知られるようになってきていますが、予防医療の方が体の負担も費用の負担も小さくなるのは犬猫さんも同じです。今回は予防医療の中でも寄生虫対策①というテーマでまとめていますので、この内容を普段の生活に活かしていただけると幸いです。

目次

    まず寄生虫とは?

     寄生というのはある生き物が他の生き物に対して一方的に害を与えながら生きている状態のことを指しています。犬猫さんに寄生する虫は多くいますが、大きく分けると皮膚や毛のような体の表面につく外部寄生虫と胃腸や血管のような体の中に入り込んでくる内部寄生虫に分類することができます。今回の①ではこの中でも外部寄生虫について解説していきます。

     前述のとおり外部寄生虫は皮膚や毛のような体の表面についている虫です。犬猫さんで最もよく知られているのはノミとダニで、犬猫さんと一緒に住んでいる方なら1度は聞いたことがあると思います。犬猫さんの体にノミがついて増えてしまっている状態をノミ症、ダニがついてしまっている状態をダニ症と呼んでおり、これらは病気の1種です。この後ノミとダニの違いや、ついていると犬猫さんにとって何が悪いのかについて解説していきます。

    ではノミ症とは?

     ノミは蟻や蝶と同じ昆虫に分類される生き物で、卵から生まれてオスとメスで増えていきます。日本国内で犬猫さんに寄生するノミはほとんどがネコノミという種類です。このネコノミは犬猫さんだけではなく、ヒトも吸血します。気温18~27℃、湿度75%以上の環境で爆発的に増え、気温が9℃以下になると休眠します。1日におよそ20個の卵を産み、ノミにとって良い環境下では2週間で幼虫が孵化します。気温が低い等、ノミにとって好ましくない環境下でも1年耐えて幼虫になる準備をします。卵の大きさは0.5mmで、注意して見ると肉眼でも白っぽい点のように見えます。卵から孵化した幼虫はノミの成虫が出した糞を食べて育ちさなぎになります。さなぎはおよそ1週間で成虫になり犬猫さんに飛びついて寄生します。1度寄生したネコノミの成虫は死ぬまで犬猫さんの体から離れることなく血を吸って卵を産みます。成虫の大きさはおよそ5mmで、ピョンと跳ねた時に気が付くこともあります。寿命はおよそ4週間でジャンプ力は約30cmです。普段は屋外に存在していますが、外気温が10~18℃の時期にはドアの隙間や換気中の窓などから屋内への侵入を狙っています。ノミにとって屋内は快適で増えやすい条件が揃っているからです。ノミが1匹や2匹屋内に侵入したとしても予防をしていれば増えることなく死んでいきます。予防をしていない犬猫さんがいるとその体の上でノミとノミが出合い繁殖して増えていきます。

     犬猫さんに起こるノミ症の症状はまず第1に痒みです。ノミに血を吸われた時に体の免疫反応によって痒みが生じます。病状が進行すると全身性のアレルギーや貧血が起こります。そのほかにも血液の中に感染するヘモプラズマというものや、消化管内に感染する瓜実条虫という寄生虫を媒介して、感染を広げる原因になります。アレルギーや猫引っ掻き病はヒトも発症する病気でノミによって広がる病気です。

    ではダニ症とは?

     ダニは蜘蛛やムカデと同じ節足動物に分類される生き物で、卵から生まれてオスとメスで増えていきます。日本国内で犬猫さんに寄生するダニは数種類存在しますが、その中で最も頻度が多く危険性も高いのはマダニという種類です。このマダニは犬猫さんだけではなく、ヒトも吸血します。くさむらなどに潜んでおりターゲットであるヒトや犬猫さんに近づくと、あごを皮膚に突き刺して吸血を始めます。血を吸う前の大きさはおよそ8mmですが、血を吸った後のマダニは30mm以上になることもあります。

     ヒトでも犬猫さんでも強い痒みを引き起こしますが、最も危険なのはSFTSという感染症を媒介することです。毎年夏休みなどでキャンプに行った方がマダニに刺されて感染しており、死亡事故も起こっています。当然体の小さい犬猫さんではヒトに比べて死亡率は高くなります。

    どちらも1度ついてしまうと除去は大変

     ノミとダニのどちらも、ついてしまった後にどこにどれだけいるか分からない状態の虫を駆除するのは大変です。冷蔵庫の裏側やベッドの奥など掃除の難しい場所で、卵やさなぎが増殖し続ける場合が多いからです。犬猫さんの治療と並行して、掃除、洗濯、日光消毒などで家の中を隅々までくまなく大掃除をしなければ駆除できない場合が多いです。私たちヒトの快適な生活と、大切な犬猫さんの健康のために、予防を行うことによって防ぐことができる病気は対策を打っていただくことをお勧めしております。

    ご不明点はお気軽にお尋ねください

     ノミとダニ以外の外部寄生虫には皮膚にへばりついて血を吸うヒルや、毛穴の中に入り込んで痒みや抜け毛を引き起こす毛包虫という種類の虫も存在しています。寄生虫に関するご不明点も、それ以外の体調の変化も分かりやすい説明で犬猫さんとの楽しい毎日をサポートいたします。大田区にあるBe犬猫病院は飼い主さんの不安や犬猫さんのお困りごとをいつでも解決できるように、休診日を設けずに診療を行っております。夜間や早朝など診察時間外の救急治療も受け付けしておりますのでご相談ください。

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