犬猫さんの健康を守る!寄生虫予防②
2023/10/27
ご家族である犬猫さんが元気に生き生きとその子らしく暮らせる時間を長くしていくために、最も重要なのは予防医療です。近年ではヒトの医療で病気になってから治療するよりも病気にならないことを目指した医学が広く知られるようになってきていますが、予防医療の方が体の負担も費用の負担も小さくなる点は犬猫さんも同じです。今回は予防医療の中でも寄生虫対策②というテーマでまとめていますので、この内容を普段の生活に活かしていただけると幸いです。
目次
まず寄生虫とは?
寄生というのはある生き物が他の生き物に対して一方的に害を与えながら生きている状態のことを指しています。犬猫さんに寄生する虫は多くいますが、大きく分けると皮膚や毛のような体の表面につく外部寄生虫と胃腸や血管のような体の中に入り込んでくる内部寄生虫に分類することができます。今回の②ではこの中でも胃腸に住み着く消化管内寄生虫について解説していきます。
前述のとおり消化管内寄生虫は胃や小腸、大腸という消化管の管の中に住み着いている虫です。犬猫さんで最も多いのは回虫という種類で、これ以外にもコクシジウムや犬条虫などかなり多くの寄生虫が存在しています。おなかの中で寄生虫が増えていくと下痢が治らなかったり、便秘でおなかが苦しくなったり、発展すると肺や神経に移動して消化器以外の症状を引き起こすこともあるので健康長寿のためには対策が必要です。
感染していたらどうなる?
最も多い回虫という種類の寄生虫は、成虫で長さおよそ10cm太さおよそ2mmの細長い形をしています。腸管内に生息してオスとメスによって増えます。うんちの中に虫卵が放出され、幼虫に発育するとヒトにも感染します。寄生虫感染の有無に関わらず、犬猫さんのうんちは放置せずに早く片付け、片づけた後は手を洗う習慣が重要です。
回虫は予防が適切でない犬猫さんのおよそ25%に感染しているとされています。感染の初期には症状がないことが多いです。寄生虫が定着すると、虫が刺激を与えることによる腸炎と下痢、虫に栄養を取られることによる栄養不足と食欲増進などが起こってきます。病状が進行すると、おなかの中が寄生虫でぱんぱんにふくらみ便秘を起こしたり、腸管が破裂することもあります。さらにこの状態になると、幼虫がより快適な環境を求めて肺や目に移動することもあります。ヒトに感染した場合も腸管に住み着くことができずに幼虫が快適な場所を求めて肝臓や筋肉に移動して肝硬変などの原因となります。
うちの子が感染しているかどうかはすぐ分かる?
うんちの検査をすることによってその場で分かります。しかし、感染の初期には1回のうんちの中には出てこない可能性があるので確実に感染していないと証明するためには3回の検査を行っています。
うんちの中に成虫が出てくることはまれで、多くの場合は虫卵などの肉眼では見えない小さい状態で環境中に存在、拡散されています。長引く下痢や、食欲不振、腹痛などは消化管内寄生虫が原因になっている可能性があるので、当てはまる場合には検査をお勧めしております。
感染しないためには?
消化管内寄生虫は口から入ることによって感染します。なので、道路に落ちているものを食べさせない、舐めさせないことによって感染の可能性を抑えることができます。しかしながら現実問題として、わんちゃんがお散歩の途中でにおいを嗅いでいたり猫さんが自分の体を舐めていることをすべてやめさせることはほとんど不可能です。
幸いにも現在は犬猫さんには害を与えずに消化管内寄生虫を駆除することができるお薬があるので、それを使うことによって健康な状態を維持していくことをお勧めしております。
消化管内寄生虫に限らず、予防によって防げる病気はたくさんあります。犬猫さんにとって体の負担が少なく、なおかつ費用も抑えられるのが予防医療です。大田区にあるBe犬猫病院は、大切なご家族である犬猫さんが1日でも長く健康でい続けられるように、いろいろな角度から日々の生活をサポートしております。寄生虫予防に良い薬を知りたい、他にどんな予防があるのか等のご不明点はお気軽にお尋ねください。また、急にごはんを食べなくなった、吐いてしまった、なんだか元気がない等の症状があるときにもいつでも安心していただけるように、休診日なし、予約不要、夜間の時間外診療にも救急の対応をしておりますのでご相談ください。