Be犬猫病院

犬猫さんの歯科は乳歯から

犬猫さんの歯科は乳歯から

犬猫さんの歯科は乳歯から

2023/11/03

 犬猫さんと一緒に生活しているなかで、多くの飼い主さんが気にかけてくださっていながらも実現することが難しいのが歯磨きに代表される口腔内の清掃です。

 犬猫さんと私たちヒトとは、歯の本数や役割など違う部分もありますが、歯も体の中で重要な役割を担う器官であり全身の健康に強く影響しているという部分は同じです。今回は犬猫さんの口腔という器官の成り立ちについて深掘りしていきます。そういえばうちの子もそういう時期があったわ、と昔のことを少し思い返していただける内容になれば幸いです。

目次

    犬猫さんの歯にも乳歯と永久歯があります

     犬猫さんの歯にも、ヒトと同じように乳歯と永久歯があります。犬猫さんの乳歯はお母さんのおなかの中にいる時から作られ始めますが、生まれた時にはまだ歯は生えていません。生後3週間ごろから、まず初めに切歯(前歯)の乳歯が萌出してきます。その後に臼歯(奥歯)、最後に犬歯という順番で生え揃ってきます。

     乳歯が生え揃った後の生後12週齢頃から、永久歯が萌出してきます。この永久歯ですが、ヒトでは乳歯が脱落してから永久歯が生えてくるのに対して、犬猫さんは永久歯が生えてから乳歯が脱落します。では乳歯はいつ抜けるのかというと、永久歯が萌出してきて、既に生えそろっていた乳歯の高さの2/3まで出てきた頃に脱落します。時間で言うと、永久歯が萌出し始めてから一般的には1週間、長くても2週間で乳歯は脱落します。つまり、乳歯と永久歯の両方が生えている状態が2週間ほど続いていたとしても、それは異常なことではありません。

     うちの子も永久歯が生えてきてヒトでいうと小学校に入るくらいの年齢なのね、と考えていただけると分かりやすいかと思います。

    異常が起こることはあるの?

     乳歯が3週間以上抜けずに、永久歯の成長を阻害することがあります。長く放置しておくと永久歯が本来存在していたはずの位置とは異なる場所で定着してしまい、歯が口腔内や口唇を傷つけて痛みを伴ったり不整咬合による慢性的な頭痛や不調の原因になります。ですから、3週間以上の期間に渡って乳歯と永久歯が併存している状態が続いている場合には、乳歯を抜く処置をお勧めしています。早期に乳歯を取り除くことができれば、はじめは別の場所から頭を出していた永久歯も本来の位置に戻っていってくれることが多いです。

     その他には、乳歯は通常通り生えていたけれども永久歯が生えてこないことがあります。この場合は乳歯が邪魔をして永久歯が生えて来られない状態なのか、あごの大きさが小さいために永久歯が作られなかったのかを判別する必要があります。乳歯が邪魔をしている場合は乳歯を取り除きます。永久歯が作られておらず、乳歯の歯根(歯茎の中に埋まっている部分)に細菌繁殖などの異常が認められない場合には医学的な介入は必要ありません。

    乳歯が生え変わる時期と注意点

     乳歯が永久歯に生え変わる時期は特に口の中が敏感になり、違和感や痒みなどから噛む行動が増える場合が多いです。この時期はヒトや他の犬猫さんとの関わり方など、いろいろなルールを覚えやすい時期と重なるので、放置すると手当たり次第になんでもかじったり口に入れてしまう癖がついてしまいます。そうならないためにヒトと一緒に暮らすためのルールを根気強く教えていく必要があります。

     この口の中の違和感を紛らわせるためにも有効で、なおかつこの時期から始めるのが最適とされているのが日々の歯磨きです。歯磨きによる適度な刺激は口の中の違和感を紛らわせるだけではなく、歯茎の血行を促進して永久歯の萌出を助けたり、乳歯の脱落後の歯肉を引き締めて細菌の繁殖を抑制するなどの効果があり良いこと尽くしです。この時期は歯磨きの刺激を心地良く感じてくれやすいので、歯磨きを好きなってくれる可能性も高いです。どんな歯科処置よりも効果が高いのは日々の歯磨きですので、しっぽのあるご家族が長く健康でいられるためにひと工夫していただくことをお勧めしています。

    動物病院でチェックしましょう

     犬猫さんの健康長寿には、歯の状態は非常に重要です。歯や歯茎のトラブルは食欲不振や体調不良につながるやすく、食と健康が切っても切れない関係にあることはご存じの通りです。犬猫さんはヒトよりも歯石がつきやすく、自分で歯磨きをすることもできません。放置すると歯周病や口内炎を引き起こし、心臓や腎臓などの臓器に悪影響を及ぼします。健康診断を定期的に受けることによって歯周病やそのほかの体の不調を早期に発見して治療が可能となります。

     大田区にあるBe犬猫病院は歯の健康チェックだけではなく、歯石の除去や虫歯の治療もヒトの歯科治療と同等に行うことができます。また、日々の生活に取り入れることができる歯磨きの方法や歯周病予防のためのご提案をライフスタイルに合わせて行います。ご家族の犬猫さんに気になるところがある場合や、ご質問などございましたらお気軽にご相談ください。大切なご家族の不安を早く解消できるように休診日は設けておりません。緊急を要する場合には夜間の時間外診療も受け付けております。

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