うちのこは肥満?
2024/02/23
ヒト医療で肥満症に効く保険適用薬が昨日発売されました。ヒトでは成人のおよそ4人に1人が肥満症と言われており、犬猫さんでは正確な統計は行われておりませんが肥満症は多いです。犬猫さんに効く肥満症のお薬は現在ありません。今回は一緒に暮らしている犬猫さんが肥満症か否かを判別する基準と、肥満症だった場合の対策方法について簡単にまとめておりますので、日々の暮らしに取り入れていただけると幸いです。
目次
肥満症とは?
肥満症とはいわゆる太りすぎのことで、ヒトではBMIという体重(kg)を身長(m)で2回割り算した数値が25.0以上という基準があります。過体重は様々な病気のリスクを増加させることが知られております。
犬猫さんの場合は品種や個性による体格差が大きいので、ヒトに用いられているBMIのような数値がありません。そこで犬猫さん向けの標準体形を評価するために広く用いられているのがボディコンディションスコアという指標です。このボディコンディションスコアというのは犬猫さんの体型を9段階あるいは5段階に分類したもので、数字が小さいほど痩せており数字が大きいほど太っていることを示しています。このボディコンディションスコアの9段階中6以上、5段階中の4以上の犬猫さんが肥満症であるとされています。
ボディコンディションスコアは自分でも分かる?
ボディコンディションスコアの測定には特別な器具は必要ありません。ご家庭でも犬猫さんと触れ合いながら手と目で測定することができます。
犬猫さんの肋骨を触った時に、でこぼこが分かりでこぼこの上にうっすら脂肪のクッションが乗っている状態が理想体型です。加えて、その肋骨からお尻の方向に向かって触っていくとキュッとしたくびれが感じられる体型が太っておらず、痩せすぎでもない体型です。この体型がボディコンディションスコア9段階中の4~5、5段階中の3とされています。
「ボディコンディションスコア」と検索していただければ解説しているサイトや動画がたくさん出てくると思いますがその中のひとつとしてこちら(https://www.petline.co.jp/note/dog/overweight/000258/)も参考にしていただけるとより分かりやすいと思います。
肥満だった時は?
犬猫さんもヒトと同様に肥満であることが健康長寿に多くの悪影響を及ぼします。多すぎる体重を支えている膝、肘、腰にかかる負担が大きくなるために関節の病気を発症しやすくなる危険性が標準体型の場合と比較して1.8倍になります。過剰な食物摂取はそれを消化する内臓にも多くの負担を強いることになるので、糖尿病の危険性が2.2倍、膵炎の危険性が2.1倍に上がります。
犬猫さんの肥満症はフードの与えすぎが原因です。欲しがるからと言って満足するまで与えてしまうと命に係わるほど食べ過ぎてしまう場合もあるので、一緒に生活している飼い主さんがコントロールする必要があります。フードの成分表には100g食べた場合の摂取kcalが表示されていますので、それを基準に食べる量を調節して無理のないダイエットを実現してください。適正量が分からない、肥満か否かが自信がないという時にはかかりつけの動物病院にご相談ください。大田区にあるBe犬猫病院は馬込・山王地域の犬猫さんが飼い主さんと楽しく健康に暮らせるように日曜日や祝祭日も診察を受け付けておりますので、犬猫さんのことで疑問が生まれた時にはお気軽にお越しください。どんな疑問にも誠実にお答えいたします。