狂犬病の予防接種は必要?
2024/04/19
表題に対する結論から書かせていただきますと、狂犬病の予防接種は必要です。
日本では発生がほとんどないため過去の病であると考えている方もおられますが、アメリカやヨーロッパでは今でも死者が出ている危険な感染症です。この狂犬病の心配がほとんどない国というのは世界約200か国中ニュージーランド、日本などの数か国に限られています(厚生労働省 https://www.forth.go.jp/moreinfo/topics/name47.html)。国内でも発症がまったくないわけではなく、2020年に海外からの帰国者が発症し亡くなっています。広い視点で言えば危険な病気が世界的に蔓延することを防ぐために、日常的な視点で言えばご家族の安全を守るために予防注射の継続をお勧めしております。
予防接種の意義を疑問視する風説は古今東西存在しておりますが、当院では科学的な根拠に基づいて命を守るために有効であると考えております。(世界小動物獣医師会ワクチンガイドライン https://wsava.org/wp-content/uploads/2020/01/WSAVA-vaccination-guidelines-2015-Japanese.pdf)さらに、個人の価値観を根拠として法律を破ることは法治国家に暮らす市民を脅かす行動であるとも考えております。狂犬病予防法はどんな場合でも例外なく毎年注射をしなくてはならないと定めているわけではありません。注射によって体調が悪くなりそうな持病を抱えている場合や、体質の場合には獣医師にご相談ください。
狂犬病の予防接種に関する記事が掲載されておりますのでよろしければこちらも合わせてご覧ください。(読売新聞オンライン https://www.yomiuri.co.jp/national/20240416-OYT1T50066/)
日本中のすべての動物病院は動物と一緒に暮らしている方はもちろん、一緒には暮らしていない方にとっても頼りになる存在であり続けるために日々研鑽しております。お困りごとの際にはお気軽にご相談ください。