犬猫さんも長寿のために健康診断

　犬猫さんと一緒に暮らしていると、ごはんを食べる仕草やうんちやおしっこの色や量など、毎日のお世話の中で必ず目にしていることがたくさんあります。これらのちょっとした変化、または変化がないことというのが犬猫さんの健康管理であり、おおもとの考え方は私たちヒトの場合と大きく変わりません。動物病院での健康診断は、私たちヒトが学校や職場で毎年受けている健康診断と同じものなのです。

　しかしヒトと犬猫さんとで大きく違うことが2つあります。まず1つ目はヒトの言葉を話すことができません。身体の不調を感じていたとしてもそれを言葉で表現することができません。ですから、飼い主さんの言葉をお借りして普段の様子に何か手掛かりとなるサインがなかったかを教えていただく必要があります。そして2つ目は犬猫さんの過ごす1年は私たちが過ごす1年と同じ長さではないということです。犬猫さんの寿命は私たちヒトよりも短いです。これは1年、あるいは1か月の間にヒトよりも速いスピードで病気が進行していくことを意味しています。ですから、犬猫さんの多くが1年に1回の精密検査では不十分になってしまうと言われているのです。

　まずは普段の様子を教えていただいて、目で見て、手で触って、耳で聞いてといういわゆる問診、視診、触診、聴診を行います。近年では高度な検査機器が増えてきて検査の種類が増えてきてはいますが、最も重要なのは実際に犬猫さんのお顔を見て飼い主さんのお話を伺うことだとBe犬猫病院は考えております。

　そうはいっても血液検査、レントゲン検査、超音波検査でなければ分からないことももちろんあります。これらの検査は手術をしないまま痛みを伴わずに身体の外側から行うことができて、犬猫さんの身体の中にある腎臓や胃腸などの臓器の状態を、数字や線といった客観的な指標によって表現することができます。

　1年に2回の健康診断をお勧めします！という文言が、多くの動物病院や保険会社などから聞かれますが、適切な頻度というのはそれぞれの犬猫さんの身体の状態によって様々です。

　一般論として、若い犬猫さんの場合にはがんや腎臓病のような病気になる可能性は低いので健康診断のスパンは長くても問題ないことが多いです。反対にお年を召した犬猫さんの場合はちょっとしたことがきっかけで急激に悪くなってしまうこともあるので、短めの間隔で受診した方が早い段階で手を打つことができます。このように一般的な傾向はあるものの、若くても持病と付き合って暮らしている場合もあれば、お年を召していてもピンピンしている場合もあるので、それぞれの犬猫さんの体調や飼い主さんのライフスタイルに合わせたスケジュールをご提案いたします。

　健康診断を行う目的は犬猫さんの健康長寿です。今までの生活を振り返り、気になったことをすべてご質問いただいて解決する場として活用していただきたいと考えています。

　“正直よく分からなかったけど大丈夫って言われた”という状態ではなく、“今までの生活を続けることがうちの子のためになるんだ！”と自信を持ってお帰りいただける、あるいは“ここの部分はこういう風に変えたらうちの子はもっと長生きできそうだ！”というきっかけづくりのために、2023年に健康診断を受けていない犬猫さんはご自身がヒトの健康診断に行くような気持ちでご相談いただきたいと思っております。

　大田区にあるBe犬猫病院は地域の飼い主さんが犬猫さんと一緒に楽しく生活することができるように、獣医学的な側面からサポートいたします。土曜日、日曜日、祝日も診察を受け付けておりますので、お困りごとがございましたらご相談ください。犬猫さんのもしもを支えるかかりつけ病院として、救急など夜間の時間外診療にも対応しております。