犬猫さんのがん(リンパ腫)
2024/03/15
前回の記事で犬猫さんの三大疾病について触れました。今回はその中でも犬さんでは1番目に、猫さんでは2番目に数が多いがんに焦点を当ててお伝えいたします。
ひとくちにがんと言ってもその種類は多岐にわたります。ヒトで発生率が高いがんは肺がんや大腸がんで、多くの方が耳にしたことがあると思います。(国立がん研究センター:https://ganjoho.jp/reg_stat/statistics/stat/summary.html)犬猫さんにも肺がんや大腸がんはありますが、ヒトと比べると発生率は低いです。今回は犬猫さんに発生しやすいがんの一部をご紹介いたします。
目次
犬猫さんに発生しやすいがんの種類
犬猫さんにおける腫瘍は良性か悪性を区別しない場合、7歳までに発生する確率がおよそ10%、10歳までに発生する確率がおよそ17%という報告もあります。(アニコム損保ペット保険:https://www.anicom-page.com/hakusho/statistics/pdf/20110927.pdf)
これらの発生した腫瘍の中でも特に寿命に影響することが多いのが悪性の腫瘍です。犬さんに多い悪性の腫瘍は多い順にリンパ腫、肥満細胞腫、乳腺腫だと言われており、猫さんでは多い順に乳腺腫、リンパ腫、肥満細胞腫だと言われています。
リンパ腫とは
悪性の腫瘍の中でも犬さんでは1番目に、猫さんでは2番目に発生率が高いと言われているリンパ腫というがんについて今回は深掘りしていきます。
リンパ腫というのは血液のがんです。血液と一緒に全身を流れている白血球という細胞の一種類にリンパ球という細胞があります。このリンパ球が無秩序に増殖して全身を蝕んでしまう病気がリンパ腫です。
リンパ腫になってしまう原因は明確には分かっていませんが、品種などの遺伝的な要因と加齢などの身体的な要因の両方が関係していると考えられています。例えばゴールデンレトリーバーは他の品種と比べてリンパ腫に罹りやすいと考えられています。
リンパ腫になってしまっても初期段階では症状が顕れないことも多いです。初期~中期段階に差し掛かると全身のリンパ節が腫れてきたり、疲れやすい、軽度の食欲不振などが顕れます。さらに進行すると、下痢、嘔吐、発熱などの症状が顕れます。
リンパ腫の治療には化学療法といってお薬を使うことが多いです。どんなお薬をどのくらい使うのかなどはケースバイケースでまちまちなのでかかりつけの動物病院とよくご相談ください。
普段おうちでもできることは
今回はリンパ腫という種類のがんを簡単にお伝えしましたが、リンパ腫に限らずおうちでできる重要なことは毎日5分でも良いので犬猫さんと触れ合う時間を持つことです。背中を撫でていたらできものに気が付いた、お顔を撫でられるときの仕草や表情がなんだか曇っているなどの飼い主さんにしか分からないような変化が後から振り返れば初期症状だったということもあります。ご不明点や不安に思われたことなどがございましたらかかりつけの動物病院にご相談ください。今は元気なご家族だからこそ、将来罹るかもしれない病気について知っておくことが今日を充実させることにつながります。
大田区にあるBe犬猫病院は馬込・山王地域の犬猫さんが飼い主さんと楽しく長く暮らせるように日曜日と祝祭日も診察を受け付けております。簡単な健康チェックやご質問もお気軽にお越しください。