犬猫さんの心臓病
2024/03/29
以前の記事(犬猫さんの三大疾病とは?)でご紹介した犬猫さんの三大疾病の中で、犬さんで2番目に、猫さんで3番目に多いのが心臓病です。今回は犬猫さんの心臓病に焦点を当ててお伝えいたします。
目次
心臓という臓器について
まず心臓という臓器が体の中でどのような役割を担っているかというところからお伝えします。心臓は血液を全身に送り出すための臓器です。全身に血液を送り届けるために十分な血圧を生み出す筋肉の塊でできています。心臓の筋肉が収縮することに伴って全身に血液が送り出されますが、この時に血管を通る血液は常に一方通行です。一方通行ではなくなることを逆流と呼んでおり、逆流があると身体の隅々まで血液を十分に運べなくなります。身体にはもともと逆流を防ぐための構造が備わっており、代表的なものは血管内の弁です。弁閉鎖不全症や心臓弁膜症という病気を耳にしたことがある方も少なくないと思います。このように血液が逆流してしまっている状態や、心臓に流れる電気信号が一定ではなくなっている状態を指す不整脈、心臓ががんばりすぎてしまっている状態の高血圧などを総称して心臓病と呼んでいます。
心臓病になるとどうなる?
血液というのは全身を巡りながら栄養分や水、酸素など生きていくために必要な物質を運んでいます。心臓が正常に働けなくなるとこれらの栄養分がいきわたらなくなります。身体の中では必要な栄養分が届かなくなる前に、“最近配達が遅れていますよ”というメーッセージを心臓に対して送ります。このメッセージを心臓が受け取ると、より強い圧力で血液を送り出そうとして高血圧や心臓の肥大化、動脈硬化などが引き起こされます。
心臓病の初期段階では高血圧や聴診による心臓の雑音などが生じます。進行してくると気持ちが昂った時や走ったり体を動かした後にへたり込んでしまったり、咳をするようになります。
心臓病になってしまったら?
心臓病の種類や程度によっても治療方法は異なりますが、お薬の内服が多くの場合で有効とされています。お薬による助けがなくなるとまた心臓が弱ってしまう場合が多く、その場合には継続的な内服が必要になります。お薬の内服以外では、過度な運動を避けるなどの生活習慣の見直し、心臓や血液に配慮した食生活の改善、手術などの治療方法が選ばれることもあります。
心臓病にならないためには?
心臓病の発症原因は完全に解明されているわけではありません。品種などの遺伝的な要因も関わっており〇〇によって絶対に防ぐことができるというものはありません。しかし、危険性を減らすことはできます。その中でも有名なのはフィラリア症の予防薬です。フィラリアというのは血管や心臓に住み着く寄生虫で、この寄生虫が体の中で増えてしまうと心臓病を引き起こします。この寄生虫は蚊の吸血によって感染するので、蚊が発生する期間は予防薬の使用をお勧めしております。フィラリア症以外では肥満も高血圧などの心臓病を起こしやすくするので、適正体重を維持できるような食生活をおくらせてあげることも心臓病を発症する危険性を高めないために重要です。
気になることはかかりつけの動物病院にご相談ください
今回はここまで心臓病についての内容をお伝えしました。“うちの子の心臓は健康なのかしら?”、“心臓に雑音があると言われたことがあるけど、お薬を飲んだ方が良いのだろうか?”などのご質問はかかりつけの動物病院にご相談ください。
大田区にあるBe犬猫病院は馬込・山王地域にお住いのご家族や犬猫さんにとって最善の方法をご提案するために日曜日や祝祭日も診察を受け付けております。予約がなくてもお気軽にご相談ください。